俺がバンドに戻った理由について話そう。
本当のことを言えば、そんなに大した理由はない。
俺とバンドはこの2年間、全く別のことをやってきた。
そして別段俺はバンドに戻りたいと願っていたわけでもなかったし、
その間の生活に満足もしていた。
強いて言うなら、新之助から連絡が来たとき、
俺はいろんな面でギターを弾いてもいいかな、という気持ちになっていた、
だからまたやってみようと思った、ということだろう。
俺たちは別の歯車を回っていて、
それがたまたまカチリと合った、ってことだ。
だからその歯車が合わなくなったら俺たちは別々になるだろうし、
また合えばまた一緒になるだろう。
それだけのことだ。
ただ、少し長くなるけど、俺がバンドに戻る直前に起きた出来事については
話しておく必要がある。
それはとても奇妙な話だからだ。
ーー続くーー
ーー続くーー
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