3.03.2011

エルビスコステロライブレポートなんちてな

おし。
インターネット復旧につき、書きましょうよ。
昨日、エルビスコステロ”solo”コンサートに行ってきたよ。

まずはセットリスト。
01. Green Shirt - with iPad accompaniment
02. (The Angels Wanna Wear My) Red Shoes
03. Motel Matches
04. Little Triggers
05. Veronica
06. Good Year For The Roses
07. Pennies From Heaven / A Voice In The Dark
08. New Amsterdam / You've Got To Hide Your Love Away
09. Everyday I Write The Book
10. The Spell That You Cast - sitting in a chair
11. A Slow Drag With Josephine - partly without mic
12. Almost Blue - without mic, sitting on the edge of the stage
13. Watching The Detectives - with iPad accompaniment
14. The River In Reverse
15. Alison
Encore 1
16. Beyond Belief - sitting in a chair
17. Toledo - chair
18. She - chair
Encore 2
19. Oliver's Army
20. Shipbuilding
21. (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding?
22. Radio Sweetheart / Jackie Wilson Said
Encore 3
23. National Ransom No.2 - with iPad, loudspeaker, guide light and siren
Encore 4
24. All Or Nothing At All - sitting in a chair
25. Brilliant Mistake
26. Man Out Of Time
27. I Hope
28. Pump It Up - including Subterranean Homesick Blues


これ、アンコール4ってかいてあるけど、ほんとは7回くらいだった。
最後のアンコールは歌い終わる度にギターを降ろして、声援を浴びるんだけど、
声援浴びてるうちに帰れないと思ったのか、また1曲、また1曲と続けていく感じで。
結局2時間ちょっとで28曲。全部完全に一人きりで歌い上た。

今回の公演は、ソロでの来日ってことで、バンドが観たいファンからは期待外れとの声もあったみたいだけど、俺は、こういうライブが観たかったから感激しました。

ステージにはアコースティックから、ハコもののギターまで6本ぐらい並んでいて、
センターに立ち用のマイク、ちょっと横に座り用のマイク。
譜面台にはipadとネタ帳。小さいテーブルを置いて、そこにドリンクと何やら小物を少々。

会場の照明は非常灯まで完全に落とされて、コステロのひっそりとした自宅に案内されたような雰囲気だった。
ピータードハーティーとかもよくやっているけど、こういうソロの宴、みたいなのはイギリスではよくあることなのかなあ。
多分曲順なんて大体しか決まってなくて、観客の声に応えるように次々と持ち歌を披露するコステロの姿、俺にとっては理想的だった。
バンドでこういうアットホームな雰囲気というか、観客との親密なコミュニケーションを計るのは中々難しいことだけど、IGPというバンドは常にその距離感でライブができたらいいと思ってる。
そうした距離感についてもそうだし、ギター1本と歌だけで2時間、観客を飽きさせないで魅了し続ける力量と構成力ね。演出なんか勿論殆どないけど、それでも沢山のメリハリがあって、最終的にはアンコール以降観客全員を総立ちにさせてしまう、そんなライブ全体の見せ方が非常に勉強になった。

セットリストを見てもらえば、知ってる人なら分かると思うけど、ヒット曲、名曲の連発。
(the angels wanna wear my)red shoes、Veronica、watching the detectives、Alison、She、Oliver's army、(what's so funny 'bout)peace, love and understandingなど、要所を押さえた超有名曲だけあげてもこんだけ。

しかし、中でもハイライトだったのは、最新アルバム「national ransom」から披露された、a slow drag with Josephineからその次のalmost blueへの流れ。
センターでこのアルバム曲の美しいフィンガーピッキングに沿うように優しく歌い上げていたコステロは、途中からマイクから完全に離れて、まったくの生声で観客に語りかける。
PAもそれに反応してギターの音量をオフにし、会場に響くのは全くマイクを通さない、生のアコースティックギターのつま弾きと、コステロの掠れた生声だけ。
そのまま次の曲では、ステージの淵に腰掛け、同じように全くの生声で1曲を演奏。
会場は文化村オーチャードホールで、それほど小さい会場でもないのに、最後列までコステロから漏れる声の吐息が伝わってくる、そんな瞬間だった。

勿論彼は今でも全然現役のアーティストだし、額縁に飾られて崇められるような歳では全然ないし、本人もこれからもそんなことは望まないだろう。
でも、やっぱりエルビスコステロってのは俺にとっては一つの伝説だし、ボブディラン、ジョンレノンといった歴史的存在の次の世代の、ジョーストラマーやパティスミスと同様の音楽ナイス野郎なんだよね。
だから、同じ空間に彼がいて、その生声を聴けるってのは、それがレノンだったとしたらヨーコだけがもってた特権みたいなもんですよ。
そういう意味で、俺にとってはこの瞬間がまさにこの"solo"公演が持っていた一番の魅力であり、最高の瞬間だったな。

ギターが時々つまったりとかね、構成を忘れそうでギリギリのとこがあったり、歌はまあ完璧だったけど、曲が終わる度に満面のドヤ顔をしてみせたりと、かなり人間臭いところが垣間見えたのもとても良かった。

きっとコステロは今も昔もあんな感じで自宅にギターを並べて弾き語り、新しい名曲ができる度に一人でほくそ笑んでいるんだろう。
そういった意味では自分となんら変わりのない音楽好きのただの男が、ステージに立って、長い間観客を共有し続けているんだと思うと、それは理想的な生き方だななんて思いました。

自分の曲の間に、ビートルズやディランを混ぜて歌ったりしてさ、随分楽しかっただろうよコステロのおっさん。

ss